異邦の騎士(改訂完全版)

〜再読の旅〜
歳をとることでわかることがある。歳をとることの有難さを実感する時でもある。この作品の初読はいつだったろうか。10年前?15年前?もっと前か?導入部からの不可思議な設定と、青春小説の要素、論理的な帰結などえらく感心した覚えはあるが、いずれにしろ二十代の頃に読んだ時はこれほどの感動と深い悲しみを味わった記憶はない。この作品が「占星術」を抜き読者人気投票によるベストワンに選ばれる理由もわかる気がする。
石岡が良子と山下公園に行き遊覧船に乗る場面が好きだ。このような場面が出てくることが島田ミステリーの素晴らしさだ。

異邦の騎士 改訂完全版

異邦の騎士 改訂完全版