眠り3

もうひとつ。僕はこの中途覚醒の症状が始まったその晩のことを今でも覚えている。大学3年生だったと思う。その晩ある女の子が僕の部屋に泊まった。その女の子が僕の部屋に泊まったことについては深遠な、けれども単純な理由があったわけだが、とにかくその夜をさかいに僕の眠りの問題が始まった。それから二十年。だから、僕の中途覚醒は二十年に及ぶ僕の償いの象徴ということになっている。もういいだろ?