台風通過中

子供の頃(中学生くらいまでだったかな〜)は台風の接近や通過をある種の期待感をもって待っていたような記憶がある。どこかワクワクするような冒険やスリルへの期待感。その期待感と少女の成長と中年の喪失を鮮やかに描いた作品が相米慎二の『台風クラブ』であった。しかし僕も今ではそのような期待感を台風に対して抱くことは少なくなった。心の隅に少しは感じるがそれを人前で公言することは無くなった。それが大人になったということか。台風が通過すれば多かれ少なかれ被害をもたらす。その苦痛は被った被災者でなければわからないだろう。果樹農家はほぼ毎年訪れるであろうこの災厄に耐えている。車と同じである。必ず交通事故は起きる。被害者にも加害者にもなりうる。しかし車を利用しないわけにはいかない。生涯交通事故にあわない人もいるだろう。しかし予期せぬ交通事故で人生が大きく変わってしまう人もいる。

台風クラブ [DVD]

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